好きな人の弟を、利用した

辿り着いた「ハナちゃんさん」

「…………」

顎に手を置きながら、入り口の回りをウロウロする。

何分位そうしていたか。

酔いもだんだん冷めて来て冷静に考えてみると、色んな不都合が浮かんで来る。


勢いで来てしまったけど、なんて言えば良い?

他にお客さんだっているだろうし、こんな場所で話す内容ではないのでは?

急に言われてもハナちゃんさんだって困るし、迷惑じゃなかろうか?


ハタ、とその事に気が付き、お店の中に入れずにいた。


「……………………」


よしっ!

一つ頷いて、踵を返した。

やっぱり止めておこう。

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