好きな人の弟を、利用した
「でも良かったわー」

「……え?」

「夏夜ちゃんがたっくんの気持ちに答えてくれて。ホント良かった。アタシが言うのもなんだけど、ありがとね」

ハナちゃんさんがミルを挽く手を止め、ペコッと頭を下げた。

「いや、あのっ……」

その行動にビックリして、あたふたしてしまう。

私は、そんな事をされる様な人間じゃない。

むしろ、蔑まれても良い様な事をしているのに。

微笑んでいるハナちゃんさんを見て、ズキズキと心が痛む。
< 156 / 334 >

この作品をシェア

pagetop