好きな人の弟を、利用した
違う事を考えよう。

ハナちゃんさんが淹れてくれた珈琲、美味しかった。

3杯もご馳走になってしまって。

今度、なにかお礼をしよう。

話も聞いてくれたし。

……ハナちゃんさんも、凉子も、本当の事は言わない方が良い、と言った。

私の中では、まだ引っ掛かっている。

佑くんが良い人だと言う事は、分かってる。

でも正直、恋愛に発展するかと問われると、素直に「うん」と頷けない。

何より、この事を隠し通せる自信がない。

(一番の理由は、これかもしれないな……)

一時の気の迷いで、佑くんを昴の身代わりになんて考えた事が、本当に悔やまれる。
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