好きな人の弟を、利用した
「さて。今日はどこに行くの?」

私は佑くんの息が整ったのを確認して、今日の行き先を聞いてみた。


実は、どこに行くのか全然知らない。


ただ、『ピクニックに行く』と言う名目だけ把握している。

「あ、えっと……ここに……行きたいん、です……」

そう言って、ポケットから取り出したチラシを指差す。

「バラ園……?」

「はい……」

そのチラシには、


━━『三万本のバラが今見頃ろ』━━


と書いてあって、その園内の写真が載っていた。
< 189 / 334 >

この作品をシェア

pagetop