好きな人の弟を、利用した
「……やさん……夏夜さん」

「えっ!?」

「……場所…交換してもら……っても良い…ですか?」

『杉崎弟』が、私と自身を指差す。

「……え?」

前髪に隠れて目は見えないけど、口の端を上げて、ニコッと笑った。

「う、うん……」

立ち上がり、『杉崎弟』に席を譲る。

私はその横に付いた。
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