好きな人の弟を、利用した
「……さて、お腹もいっぱいになったし、次は何する?」

片付けをしながら、次はどうするかを尋ねた。

「もう園内は見て回ったけど、もう少し見てみる?それともどこか違う所に行く?それとももう帰る?」

時計を見ると、14時を少し過ぎたくらい。

帰って寝たい気もするけど、天気も良いし、せっかく出て来たんだからもう少しどこかへ出掛けたい気もする。


「あの……」

「うん?」

「映画……観に…行きま……せんか……?」

「映画?」

「はい……」

「何か観たいのあるの?」

「はい…あの、今…話題の……」

そう言って、佑くんがモジモジし始めた。


「……もしかして『猫ミル』だったりする?」

「……はい」

少し照れ臭そうに頷く佑くん。
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