好きな人の弟を、利用した
特に何も喋らず、並んで歩く。

少し歩くと、巨大ツリーが飾ってある広場に出た。

私達は立ち止まり、それを眺めた。

「キレー……」

「ホントですね……」

高さはどれ位だろう。

隣のビルの2階よりも高い位置で、てっぺんの星がキラキラ光っている。

「ロマンチックだねー」

「はい……」

目線を元の位置に戻すと、周りはより一層カップルだらけだった。

ご丁寧にベンチなんかも用意されてるから、そこに座ってイチャイチャしてる人達もいる。

「い、行こっか……」

「はい……」

なんだかいたたまれなくなって、足早にそこから離れようとした時、
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