好きな人の弟を、利用した

ヤケクソ

「………………」

「………………」

二人、無言で歩く。

さっき見た光景が、頭から離れない。


流石に、直に見るのはショックが大き過ぎた。

しかも、あんなに幸せそうな昴は、会社では見た事がない。

多分、彼女にしか見せない顔なんだと思う。

(本当に好き合ってる二人なんだなぁ……)

再認識すると、ズキズキと心が痛んだ。

さっきまで、美味しいご飯を食べて、楽しかったのに。
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