好きな人の弟を、利用した
私の勢いに体勢を崩した佑くんがベッドで躓き、二人共ベッドに倒れ込む。

「……はあっ!」

唇を離し、私はそのまま佑くんの上にまたがった。

「……ね、シよ?」

バサッと上着を脱いで、下着姿になる。

「かかか、夏夜さんっ……!」

佑くんが真っ赤になった顔を手で隠す。

「……なんで?佑くんは私とシたくないの?」

「そ、そんな事はっ……!」

「だったら……」

なんでも良い。

早く。

早く忘れさせて欲しかった。

さっき見た光景も、昴への恋心も。

こんな辛い気持ちを、一刻も早く……。
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