好きな人の弟を、利用した

「ん……」

目が覚め、当然の様に目を開けようとする。

……が、瞼がとてつもなく重い。

でも、何故か気分はスッキリしている。


ボーッとした思考でなんとか瞼をこじ開けると、規則正しく寝息をたてている佑くんの顔が目の前にあった。

「おっ……」

なんだ!?

あまりにもドアップ過ぎて、ビクッ!と、体が跳ねる。

その振動と声で、一瞬、佑くんの眉間にシワが寄ったけど、少しジッとしていたら、また規則正しく寝息をたて始めた。

それを見てホッと胸を撫で下ろし、状況を整理する。
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