好きな人の弟を、利用した
(羨ましい……)

佑くんが、モゾモゾと動く。

どうやらくすぐったかったみたいで、目を擦っている。

(起きたかな……)

しかしまたすぐに、スヤスヤと寝息を立て始めた。

(ふふっ。ワンコみたい)

じーっと見ていたら、なんか愛しくなって来て、ギュッと抱き付いた。

「……ん……」

どうやら今度は起きたみたいで、佑くんがゆっくりと目を開ける。

「……おはよう」

そう声をかけると、まだ完全に覚醒していないのか、ゆるく頷き、ふにゃっと笑って、「……おはよう……ございます……」と返して来た。
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