好きな人の弟を、利用した
「佑くん?」

どうしたんだろう。

口元を手で覆って、動かずにいる。

「どうしたの?具合でも悪いの?」

顔を覗き込んでも、前髪が邪魔してよく見えない。

「……れって……」

「え?」

声が小さ過ぎて聞こえないから、口元に耳を近付けた。

「……それって……ずっと、一緒にいるって……事、ですよね……?」

「え……」

言ってる意味が分からなくて、今の会話を反芻してみる。

(ええっと……?)
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