好きな人の弟を、利用した
「……よしっ!じゃあ、ご飯食べましょう!」

突然の話に、私はズルッとズッコケた。

「ハナちゃんさぁん……」

ここはもうちょっと感動的なシーンなんじゃないの?

「あら、だってお腹空かない?アタシさっきからお腹グーグー鳴っちゃって」

「いや、空きましたけどぉ……」

もう21時になるし、夕飯もまだだったけど……。

「拗ねない拗ねない!ホラッ、お祝いも兼ねてアタシのオゴリ!座って座って!」

「あ、ありがとうございます」

単純な私は、オゴリと聞いて素直に座る。

「さてっと!じゃあ、作りますか!」

腕捲りをして、ハナちゃんさんが意気込む。

テキパキと調理するハナちゃんさんと、どんどん出される料理を見て、私も見習わなきゃなぁ、と反省した。
< 243 / 334 >

この作品をシェア

pagetop