好きな人の弟を、利用した
大分時間も経って、あと一行、これを入力したら終わりだった。
「……これでよし!っと」
無事に入力を終え、間違っていないか確認をして、最後にenterキーを押し、PCを閉じた。
「ん~!終わったー!」
両手を上げて、背伸びをする。
と同時に、お腹がぐぅぅっと鳴った。
「お腹空いたなぁ」
もう22時近いし、そりゃお腹も空く。
「ハナちゃんさんのお店にでも行こうかな……」
あそこなら遅くまでやってるし、ご飯は美味しいし、何よりハナちゃんさんに会いたかった。
ハナちゃんさんの笑顔を見て、安心したかった。
「……よし、行こう!」
そうと決まったら、善は急げ。
ササッと帰り支度を始め、スタンドの明かりを消して、オフィスを出た。