好きな人の弟を、利用した
要約すると、こうだ━━。


佑くんは、本当は私を誘うつもりだったらしい。
でも、私が残業だった為に諦め、一人でハナちゃんさんのお店に向かった。
その道中、近藤 和架子に見付かり、「どこに行くのか」としつこく聞かれ、しょうがなくご飯を食べに行く、と言ったら無理矢理佑くんの後を付いて来た。


━━と言う事だった。


腕を組んでいたのは、佑くんの意思ではなく、それも強引に掴まれた。


━━らしい。


「………………」


『そうだったんだ』


で、納得したい。

佑くんが嘘を付けない事は、分かってる。

でも、出来ない。


なんて返信したら良いのか分からなくて、携帯を閉じ、そのまま電源を切った。

簡単に着替えて、布団にモゾモゾと潜る。

「……しんどい……」

布団をギュッと握り締め、目をつぶって無理矢理眠りについた。
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