好きな人の弟を、利用した
夏夜さんは案外おっちょこちょいな性格の持ち主らしく、入社してすぐに盛大な書類の入力ミスを犯したらしい。

それの救済に入ったのが昴で、そこから仲良くなった、と言う事だった。


僕は、嫌な予感がした。


案の定、夏夜さんは昴を好きになっていた。

聞かなくても、分かる。

夏夜さんが昴を見つめる目。

誰が何と言おうと、恋する目だった。


その時思った。


『あぁ、またか』


━━と。



< 311 / 334 >

この作品をシェア

pagetop