好きな人の弟を、利用した
次の日、あたしは松山 夏夜を屋上へ呼び出した。


宣戦布告をする為だ。


彼氏を奪ってやる、と宣言しているのにも関わらず、顔色一つ変えない松山 夏夜に腹が立って、あの噂を突き付けてやった。

そしたら、見る見る内に顔色が変わって、あたしは確信した。


こんな酷い女に、佑くんを渡すなんて冗談じゃない。


『あたし、諦めませんから』


そう言い残して、あたしは屋上を後にした。


その後も、佑くんに何かとちょっかいかけたけど、全然なびいてくれなくてあたしはヘコむ一方だった。

しかも、他の女子達も佑くんの周りに群がるから、思う様に近付けない。


やけ酒でも飲もうと入った居酒屋。


そこには偶然、佑くんがいた。

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