好きな人の弟を、利用した
あたしはその場に立ち尽くす。


本気で、完全にフラれてしまった。

清々しい位に。


『ぷっ。近藤 和架子ザマァ(笑)』

『ダッサ(笑)』


あたしにも聞こえる様に、女子達がコソコソと話している。


ダメだ!

泣くな!


『な、なにあれっ!?あたしの魅力が分からない人なんてこっちから願い下げよっ!ふんっ!もう帰るっ!!』


あたしは無理矢理こんなの何でもない風を装った。


本当は、悲しくて悲しくてどうしようもない。

でも、本気で好きだった事を、周りの皆に悟られたくなかった。
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