好きな人の弟を、利用した
今度恋をするなら、ちゃんと相思相愛が良い。

告白されて付き合ってみても、いつもあたしが好きになり切れずにフッていた。

だから次は、佑くんの様に、一途に想って、想われたい。


『……よしっ!』


顔を上げて、歩き出す。

足取りは、軽い。

いつの間にか涙も止まっていた。


今初めて、佑くんが幸せになれればそれで良い、と心から思えた。


< 330 / 334 >

この作品をシェア

pagetop