好きな人の弟を、利用した
次の日から、『近藤 和架子が初めて獲物を落とし損ねた』と噂が流れた。

それを聞いた女子達は、遠巻きに笑い、男子達は『俺が慰めてあげる』としつこく迫って来た。

それを、『うっとうしい』と一蹴する毎日。

でもそれも数日経てば下火になって来て、平穏な毎日が戻って来た。


佑くんと松山 夏夜は、仲良くやっているらしい。


こないだ、たまたま佑くんの部署の前を通りかかった時、佑くんが笑っていたのを見かけた。


ああ、幸せになれたんだなと、あたしも嬉しくなった。


もう、心は痛まなかった。


< 331 / 334 >

この作品をシェア

pagetop