好きな人の弟を、利用した
「どお?お味は」
ハナちゃんさんが、目をキラキラさせて感想を待っている。
「……すごく美味しいです」
そう言うと、ハナちゃんさんは満面の笑みを浮かべた。
「ねー♡じゃあ、ゆっくりして行ってね♡あ、いらっしゃーい♡」
ハナちゃんさんは、次のお客さんを出迎えに走って行った。
ハナちゃんさん、ごめんなさい。
この時、私の頭の中はそれどころじゃなくて、正直、味が一切分からなかった。