好きな人の弟を、利用した
すると佑くんが、「あ……」と呟いて、私の手を取り急に走り出した。

「えっ!?ちょっ……!」

「……バス…来ちゃいます……」

バ、バスっ!?

見ると、私が乗るバスが、もうすぐで停留所に停まる所だった。

確かにこれに乗り遅れると、30分位待つ事になるんだけど……。

「た、佑くん!次で良いよっ!」

お腹いっぱい食べた後の全力疾走は、正直辛いものがある。

それに今言わないと、決心が鈍りそうだった。
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