好きな人の弟を、利用した
佑くんが手を振ってくれたので、私もお返しに手を振った。
バスがゆっくりと走り出す。
乗客は少なく、私は一番後ろの座席に座る。
振り向いて見ると、佑くんがまだ手を振っていた。
クスッと笑みが零れ、私も手を振って、前を向いた。
「……言えなかったよ」
一人、呟く。
明日。
明日はちゃんと言おう。
バスに揺られ、目を閉じる。
チラ付くのは、本当に好きな『昴』の顔じゃなく、佑くんの顔。
それは罪悪感なのか、それとも違う何かなのかが分からずに、停留所まで目を閉じていた。
バスがゆっくりと走り出す。
乗客は少なく、私は一番後ろの座席に座る。
振り向いて見ると、佑くんがまだ手を振っていた。
クスッと笑みが零れ、私も手を振って、前を向いた。
「……言えなかったよ」
一人、呟く。
明日。
明日はちゃんと言おう。
バスに揺られ、目を閉じる。
チラ付くのは、本当に好きな『昴』の顔じゃなく、佑くんの顔。
それは罪悪感なのか、それとも違う何かなのかが分からずに、停留所まで目を閉じていた。