好きな人の弟を、利用した
「……昨夜…メールの返事がなかったから……帰ってる途中で…何かあったのかな……って…思って……電話しようと…したんですけど……もし寝てたら……迷惑かな…って……でも…心配で……その……」

「……安否を確認しに来た、と……?」

「……はい」

佑くんが前髪を揺らしながら頷く。

安否確認って……メールの返事が無かっただけで?

「……ありがとう、心配してくれて。メール、返さなくてごめんね……突然のお誘いに動揺しちゃって……なんて返せば良いか悩んでたら……朝になっちゃったんだ……」

佑くんの喋り方が移ったのか、辿々しい説明になってしまった。

変に思ったかな……。
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