好きな人の弟を、利用した

ポツン、と一人、その場に残される。

……拒否権なしかいっ！

｢……マジかー……｣

全身の空気と言う空気を、全部吐き出す様な溜め息を吐いた。

｢……行きたくないなぁ｣

いっそ、行かないって手もある。

断ろうとしていたんだし。

けど……。

｢絶っ対に来るまで待ってるよね……｣

分かんないけど、佑くんならそうしそうな気がした。

そんでそんな事をしたら、いよいよ救い様がない位サイテーな女だろう。

｢……明日、必ず本当の事言おう｣

それで、終わりにしよう。

残りの業務時間は、『明日で終わり』『明日で終わり』と、心で何度も唱えていた。