好きな人の弟を、利用した
そこは、ネズミのキャラクターがいる、日本で一番有名な遊園地。

まさか、初デートで遊園地とは……。

この遊園地は待ち時間も半端じゃないから、なかなかの試練だ。

「……どーぞ」

「へ……?」

スッ……と差し出されたのは、『1Dayパスポート』と書かれたチケット。

「え?……へ……?」

そのチケットと佑くんを交互に見る。

「……夏夜さんの…チケットです……」

「あ、ありがと……って!ああ、お、お金っ!」

「……行きますよ」

「あ、ちょっとっ!」

また手を引かれ、ゲートをくぐり、園内に入る。
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