好きな人の弟を、利用した
「た、佑くんっ!?」

「……これなら、大丈夫です」

繋いだ手を掲げて、ニッコリと笑う。

(な、何が大丈夫…なの……?)

佑くんはそのまま、上機嫌で歩き出した。

鼻唄混じりに、「……今は…ここ、だから……」とブツブツ呟いて、マップで今居る位置と、お店の位置を確認している。

(なんか、よく分からない人だな……)

フッと、笑みが零れる。

(それにしても……)
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