好きな人の弟を、利用した

良心の呵責

帰宅して、我に返って、自分の愚かさに気付いた。

━━私はなんてバカな事をしてしまったのだろう。

いくら『兄』が手に入らないからって、『弟』を利用してしまおうなんて。

「やっぱり明日、断った方が……」

そう思ってみても、『兄』とそっくりだった『弟』の顔がチラつく。

本当に、瓜二つだった。

一卵性双生児って、あんなに似るものなんだ、と、感心してしまう程。

「あの顔と声じゃなきゃ、魔が差すなんて事なかったのに……」
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