好きな人の弟を、利用した
その表情を見たら、胸がきゅーん♡と締め付けられた。

(笑顔……かわいい……)

大きな口を開けて豪快に笑う昴とは違って、控え目だけど、周りの人の心を温かくしてくれる様な、ほんわか灯りが灯った様な、笑顔。

前髪を上げたお陰で、貴重な笑顔を見れた。

(なんか、私も嬉しいな……)

ポケッと佑くんを見つめていたら、また目が合って、今度は思いっきり顔を逸らしてしまった。

(ヤバッ!見つめてたの、バレたかな!?)

私はいたたまれなくなって、

「いい、今さらだけどっ!前髪を上げたら、す、昴くんとそっくりだよね!ホント、ビックリビックリ!」

と、よりにもよって、一緒にされる事を嫌ってる昴の話題にすり替えてしまった。
< 97 / 334 >

この作品をシェア

pagetop