転職したら双子のイケメンがついてきた


「うるせえ!!このバカ女!!」


静まり返った闇夜に、怒鳴り声が響いた。


「どんだけ心配したと、…どんだけ探したと思ってんだ!!このクソバカ女!!!」


途中から声が震えていた。
私は驚いて固まった。


表情もよく見えないまま、抱き締められた。すごく強い力で。


雨に打たれたようにシャツの背中がびっしょりだ。暑い中、汗だくで歩いて探し回ってくれたのか。


「…なんで……??…壬言さん??えっ??えっ???アレルギーは??仕事は??茉莉子さんは??」


「黙れバカ女!!ごめんなさいだろうが!!」


「えっ!?…ご、ごめんなさい」


訳もわからず言わされる唇を、唇が塞ぐ。
目を見開いたまま、固まった。



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