転職したら双子のイケメンがついてきた
「こらこら君たち、真来さんが困ってるじゃないですか。ではここはひとつ、僕が頂くと言うことで」
ますますややこしい。
本気で言っていないのはもう分かっていた。
茶々を入れたいだけだ。
「そっ、そうですよ。私は真言さんに一目惚れして、このお店で働くことにしたんですから」
もう、どうにでもなれだ。
「……真言さんて、どっちなんですか」
ウムム、と真島くん。
こうなっては引き下がらざるを得ない。
「いいですよね、イケメンふたりに囲まれて。まさに両手に花じゃないですか。区別ついてるんですね、真来さんには」
ふて腐れる。
まあ、見た目は同じだけど、中身は真逆だからね、と。