転職したら双子のイケメンがついてきた
いそいそと自転車で来た道を戻る。風に吹かれつつ、少しずつ平静を取り戻す私。
確かに、バイトらしきものは見つかった。面接もしてもらえそうだ。
けれど、花の知識は皆無に等しい。そこは努力で何とでもなろう。
仕事としてお金を頂く以上、無論、努力は惜しみませんとも。それが労働者としての義務ですから。
が、彼がもし独り身でない場合。あるいは最悪、妻子持ちだった場合。
あそこに勤める意味はあるのか??入り口で爪付く羽目になるぞ。
彼目当てに勤めることになった場合。何なら常連客でいいじゃないか。
いやでも、花を毎日買う金はない。むしろ今は花より団子だ。
花で心は満たせても、腹は満たせない。ああなんて邪(ヨコシマ)な気持ちで軽はずみな行動に。
そして履歴書の地獄は彼らにはわからないんだろうな。
『簡単な履歴書』なんて、この世に存在しないんですよ。
しかし行くと言った以上、面接は受けねばなるまい。悪い方にばかり考えが行くのは悪い癖だ。
どうしてこんな訳のわからない嫌悪に襲われる。
私はバカだ。