転職したら双子のイケメンがついてきた
「パパ~!!」
言って走ってきたのは3才くらいの男の子だ。
真言さんが抱き上げて頬にキスをする。
「騙したみたいですみません。僕がバツイチなのは本当です。子供もいます」
「はあ…」
それしか出てこない。
でも、何となくそんな気はしていた。なに気に近寄りがたいバリアは張られていた気がする。
「残念だったね、お姉ちゃん。でも弟が残ってるよ。チャンスチャンス!!」
「しっ!!」
耳元で囁かれて、慌てる。
「で、だ」
咳払いする壬言さん。
あさっての方を向いて。
「はい??」
「今日は28歳の誕生日だったな。俺たちも、たまたま偶然同じだ。まあ、そういうことなんで、ここに住む気はないか」
「………それは、もしかして、……ぷ、プロポーズ、という、ことですか???」
「……この前の分と今日の分、耳を揃えて返すまで、嫌とは言わせねえからな」