転職したら双子のイケメンがついてきた
そんなある日。
「こんにちは、お花をください…あれ??真来??」
「はい??」
声に振り向く。
中学のクラスメイトの久保多沙紀(クボタ サキ)がいた。
沙紀とはテニス部で一緒で、通学も同じ方向だった。気も合って、仲はよかった。
「久し振り!!元気そうね!?どうしたの??ここで働いてるの??知らなかった!!」
わっ、と女子同士、久々の再会を喜ぶ。
高校から別で、大学も別になると、お互いに忙しくなって自ずと疎遠になってしまう。
白のフリルブラウスにカーキグリーンの薄手のジャンパー。黒いパンツ姿で、髪を後ろでざっくりとハーフアップにした沙紀。
服装からも窺える、さっぱりした性格は変わりないようだ。
整った目鼻立ちは、さらにはっきりして、女性への誉め言葉にはならないけれど、男前になっている。
「えっ!?イケメンが2人も!?」
そしてこの状況に驚く。
それはそうか。ちょっぴり自慢できるかな。
いや、図々しいな。
「あっ、そうそう。今度、由利が結婚するから、カンパしてお花贈ろうと思って。茉里と見に来たんだけど」
「そ、そうなんだ」