転職したら双子のイケメンがついてきた


「2ヶ月くらいなんですけど。お付き合いしてると思ってて。そうしたら三度目にお食事したとき、他に好きな子が出来たからもう会えないって……」


ついに言い終わる前に泣き出してしまった。


「……ひどい話ですね」


「挙げ句に、新婦とはクラスメイトで仲もいいからって、わざわざ結婚式に招待してくれたってわけ」


女の人ってえげつない。


というか、詳しく覚えてないし、そんなに親しくもないけど、そういう人だと噂で聞いたかも。と私ですら引いた。


「それで、ここに来れば相談に乗ってもらえるかと……」


「私っ!!私だって!!結婚したいんです!!彼氏ほしいんですっ!!」


「どうどう」


いきなり、いきり立つ茉里。
情緒不安定だ。


気持ちはわかる。ひどい話だ。
稲垣くんのことが、ふと、頭をよぎった。


私もそうだったんだよな。
そこまでなんていうか、結婚したいんです!!っていうのはなかったけどさ。


遠い昔のことのようだ。


「でも、恋なんてそこらに落ちてるもんだよ??何の拍子に拾うかなんてわからないって」



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