転職したら双子のイケメンがついてきた
「何を言ったんですか??真来さん、帰ってくるなり2階に上がっていきましたよ??泣いてたみたいですが」
「……何でもねえよ……」
ふいっ、と顔をそらす壬言の腕を掴む。
「……僕が邪魔なら、そう言いなさい」
「……真言には、……居てもらわなきゃ困るんだ」
首に巻いたタオルを噛む。
「…いつまでも、甘えては居られませんよ」
「……っ!!どうすりゃいいんだよ!?」
苛立ってレジの台を叩く。
「時期が、来ているのかも知れませんね」
言って2階に上がる真言。
「真来さん、いいですか??」
引き戸の外から声を掛けられる。鍵は付いていない。
「……はい」
涙を拭うと、引き戸が空いた。
穏やかに微笑むと、
「荷物を纏めて、一緒に来てください」