転職したら双子のイケメンがついてきた


「……えっ」


泣き腫らした目で顔を上げる私。


「やっぱり、出ていけということですか??」


「そうではありません」


「……??それはどういう??」


すると、部屋から出て、自分の部屋でもごそごそとし始める真言さん。


訳がわからないまま荷物をまとめる私。


「行きますよ」


私の荷物は着替えだけで旅行用のバッグひとつに収まった。
貴重品は別のショルダーバッグだ。


真言さんのそれはショルダーバッグひとつに収まっていた。


いや待て。
どういうことか。


「真言さん…??」


きょとんとする私に構わず、2人分の荷物を抱えると、階段を降りていく。


「…あの、えっと…」


下に降り立つと、壬言さんが呆然と突っ立っている。
私にも意味がわからない。


「今日、今からここを出て、2人で暮らします。文句はないですね??壬言」


「はい!?」


驚く私。


「なん…本気で言ってるのか!?」


「さて、どちらを止めますか??もしくは両方止めますか??あるいは両方止めませんか??」


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