転職したら双子のイケメンがついてきた
「俺はっ!!…その…バカ女に出ていってくれって頼んだんだ」
「いつまでバカ女呼ばわりするつもりですか??壬言がそういうつもりなら、こちらにも考えがあります」
いつもと違う、初めて見た真言さんの少し怒った顔。怒りを殺した声。
「彼女に失礼です。そういう訳でしばらく実家に帰らせてもらいますのでそのつもりで」
まるで真言さんが嫁だ。
そして荷物を持つと、
「行きますよ、姫」
「えっ??えっ??えっ!??」
おろおろする間にガラスを開け外に出て、すたすたと車に向かう。
「勝手にしろ!!」
振り向くと、壬言さんがシャッターを下ろした。
「ど、どうするんですか!?」
一応車に乗り込む。
「ほっときなさい。気が変われば迎えに来ます」
「でも!!私のせいで2人が喧嘩するなんて!!いやそんな図々しいこと言えませんけど」
この状況では他に言いようがない。
「大丈夫、心配しないで。彼のことは僕が一番よく知ってます」
顔を近付け、頬にキスをした。
こんなことされたら、落ちてしまう。
真言さんに。
裏口から壬言さんが見ていたことにも、真言さんは気付いていた。