転職したら双子のイケメンがついてきた
「バリバリのキャリアウーマンですけど、たまに見せる女性らしさが受け付けなかったようで」
こっそりと耳打ちする。
「厳密には壬言にも色目を使っていた節があります。ブラコン、という節も否めませんが」
確かにそんなような物言いはしていた。けれど本気ならわざわざ口にしないだろう。
大人の冗談と受け止めた。
「まさか今度はあなたが彼女を奪ってきたんじゃないでしょうね??」
「そのまさかです」
「え"っ!?」
「知らないわよ??どうなっても」
「大丈夫ですよ」
と私に微笑む真言さん。
「あの子、ああ見えて焼きもちやきなところがあるから、気を付けてね??」
それも思い当たる節がある。
真島くんの一件があった。
けれど、今回はさすがにまずくはないだろうか。
「まあ、ゆっくりなさい。ちょうどお食事の用意もできてるわ」
「有り難く頂きます。行きましょう、真来さん」
「うう、はい……」
なんだか心苦しい。
落ち着かない。
と、
「パパ、お客様??」
すぐそばのドアの隙間から、小さな男の子が顔を出していた。