転職したら双子のイケメンがついてきた
最近は冬でもスイカが食べられたりと、時期らしい旬がわかりにくくなっている。
いつでも口に入るのは有り難い反面、気分や知識を損なう。
「有り難うございますっ!!作った甲斐があります!!」
皆に微笑まれて赤くなる。
こんな庶民の舌なのに。
「そういえば当たり前すぎて、改めて言ったことなかったですね、いつも美味しいですよ。有り難うございます」
真言さんが微笑む。
給仕係りの女性も、初めて言われたのか、ハアッと赤くなる。
「調理係りにも伝えます!!」
「突然押し掛けて、こんな美味しいものを頂いて、こんなことしか言えなくて申し訳ないです」
「とんでもない。真来さんのお陰で、大切なことを思い出しました」
なんだかいい家族だ。
財閥とかのお金持ちって、もっと冷めてて怖いイメージしかなかったけれど。