転職したら双子のイケメンがついてきた
「さてそろそろお休みしましょうか。お部屋はこちらです」
「あっ、はい」
2階に案内される。
「あと、ひとつお話ししておかなくてはいけないことが」
「なんでしょう」
私の寝室らしい部屋に通された。
「……すごい」
また言葉をなくす。
間接照明に照らされた広い部屋には、中央に天蓋カーテンつきベッド。
小さなライトが付いたお姫様のようなテーブル、サイドデスク。ふかふかのラグマット。
すべてが夢のようなお姫様ルームだ。
テーブルのあるチェアに腰掛ける真言さん。
「わざわざ用意されたものではないですよね??どなたかのお部屋ですか??」
元もと誰かのいた部屋。
そんな風にしか見えなかった。
もしわざわざ私のために誂えてくれた部屋なら、むしろ住まないのが申し訳ない気がする。
「……一応、玖美さんに用意されていたものです」
「……ああ」
妙に納得した。
離婚した理由もなんとなく。
彼女は好んでお姫様にはならないだろうな、と。