転職したら双子のイケメンがついてきた

「……ごめんなさい」


気が付くと、涙が溢れていた。
そんな話が現実にあるのだ、とショックを受けていた。


「やっぱり、真来さんで正解です」


肩を抱き寄せられ、肩を借りて泣いた。
温かい。


「私には想像もつかないですけど、辛かったでしょうね。私は家族に、いえ、人に恵まれてます」


「お金持ちだから、冷たい家族だと思ってました??」


「と、とんでもないですっ!!」


自分が今していたことに気付いて、赤くなって慌てて離れた。


「ご、ごめんなさい!!」


私ったら。
壬言さんの彼女なのに。


「……いっそ、僕のものになりませんか??」


「えっ……」


「双子ですね、女性の好みは同じのようです」


「………っ!!」


顔が。
近付いた。



< 158 / 383 >

この作品をシェア

pagetop