転職したら双子のイケメンがついてきた

電車で一駅離れた、周りにも古いコンクリートの建物が密集する中の、小奇麗なマンションの一室で一人暮らししていた。


駅から少しあるので、家賃は比較的お手頃そうではある。


女性メインのマンションらしく、オートロックでセキュリティもそれなりだ。
宅配ボックスもある。


10階建ての7階だった。


エレベーターで上がると、割りと近くに部屋はあった。


「夜のお仕事の人もいるから、普段はあんまり顔を合わすこともないし、静かでいいところよ」


確かに人の気配はあまりない。
主任クラスにもなると、こんなところに住めるんだ。
羨ましい。


「お邪魔しま~す…」


ドアを開けてもらい、中に入る。誰がいるわけでもない。
一応家主に対して。


「狭いけど、どうぞ」


1DKか。
小さな廊下を入ると、小さなキッチンのあるフローリングがあり、モスグリーンのラグマットを敷いた上には食事や作業用の小さなテーブル。
クッションタイプの座布団がふたつ。


隣は8畳ほどの部屋に本棚やベッドを置いた寝室だ。
クローゼットは備え付けのようだ。


洗面とトイレは小さいながら別だった。助かる。


カーテンの色もグリーンで落ち着いていて、ほっこりできる空間だった。



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