転職したら双子のイケメンがついてきた
―――お見舞いに行くのも気が引ける。
自分だけ先に退院して、あまり詳しい容態も聞いていない。聞くこともできないまま。
真言さんがいるのも、柚希くんと同じ病院だったけれど、棟が違った。
「柚希くん」
大部屋で、奥のベッドだった。
小さな体でベッドに横たわる。
今日が誕生日で、明後日が手術だそうだ。
そこまで負担の大きい手術ということでもないらしいけれど。
「ママだ!!」
腕に繋がった点滴が痛々しい。
顔を向けると、満面の笑みになり、空いた方の手を振る。
髪は短めに刈り上げ、色の白い華奢な男の子だ。ぱっちりした黒目がちの目は母親似だろうか。
女の子のような可愛らしい顔立ちだ。
「ママ来たよ」
そっと抱き締める。
温かくて柔らかい。子供の体温は高い。
「お誕生日おめでとう、柚希」
後ろに置いてあった、父親から預かったオモチャの箱を取り出す。
「わあ!!ありがとう!!」