転職したら双子のイケメンがついてきた
「それで、あの」
「はい??」
辺りを見渡し、ひと気がなくなるのを見計らって、そわそわする弥刀さん。
キョトンとする私。
「お仕事って形でお世話になってる訳なんですが、お仕事、お花屋さんもクビ、いや、辞められたんですか??」
気を使って言い直された。
同じことだけど。
「…ああ、まあ、そういうことになりますね。あっ、依頼料ならいりませんので」
勝手に引き受けて、お金も取れない。
「そういうことじゃないんです」
「へっ??」
「……あの、うちの会社で事務員の欠員が出まして。…喪が開けるまでそちらの方で働いていただいて、その、正式にお付き合いしていただけないでしょうか」
「はい!?えっと、あの…」
言葉に詰まる。
ただでさえお子さま相手は大変だと話したばかりで。
「初めてお会いしたときから、他人のような気がしなくて。妻にそっくりなこともあるかもしれませんが、決して替わりではありません」
突然の展開に、ぽかんとする。
確かにいつまでも沙紀の部屋にいさせてもらうわけにもいかない。仕事も探さなくてはいけない。