転職したら双子のイケメンがついてきた


「面倒くせえ奴だな」


舌打ちする壬言さん。
唇を触る。
間違いなく壬言さんだ。


「……区別、ついてるんですか??」


弥刀さんが驚く。


「…なんとなく、ですけど」


よく見ると、真言さんは松葉杖をついていた。
そして真言さんが近づくと、いきなり抱き寄せられ、唇が重ねられた。


病院のフロアがざわつく。
ひゃあっ、と悲鳴にも似た声が上がり、


「あれまあ」


と、通りすがりの点滴をぶら下げた爺ちゃん婆ちゃんが赤くなる。


「……っ!!てめえ!!ふざけんな!!こんなところで堂々と!!」


赤くなって、怒りを抑えながらも真言さんを引き離そうとする。
本当は殴りたいところだった。


もはや弥刀さんは蚊帳の外だ。


「……双子なんだから、こうなることも想定内じゃねえか??」


余裕綽々と応える真言さん。
肩を抱いたまま離さない。
やっと突き放す私。


「と、とにかく!!柚希くんの手術が終わるまで、続けますから!!」

ああっ!!
ドキドキするっ!!



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