転職したら双子のイケメンがついてきた
本当にただのトイレかもしれない。まずは男性陣にトイレを探してもらおう。
万一それ以外なら。
子供の足でどこまで行けるのか。館内にはいるはずだ。
どこかに隠れているかもしれない。子供が隠れられそうな場所。体が小さい分、どこの隙間にでも入れそうだ。
知らない病室にいるかもしれない。
「柚希!!柚希!!」
呼びながら、あちこち屈んで探して回る。
ふと、嫌な予感がした。
あまり当たることがない予感。
屋上に上がる階段を探す。
当たらないで、と願いながら。
普段なら恐らくドアが閉まって、子供の背丈でノブに届くかどうか。
ましてその力では開かないドアは、日も暮れかけて洗濯物を取り込むために開いていた。
風が吹き付ける。
もちろん基本、背の高いフェンスが張り巡らされ、万一の落下防止にはなっている。
ぐるっと見渡しても、それらしい姿はない。
入り口扉の建物の裏手に回ってみた。
「柚希!?」
いた。
一段下の機械室の向こうだ。