転職したら双子のイケメンがついてきた


「…ごめんなさい。嘘ついてました」


風に煽られながら頭を下げた。
子供相手だからと言っても、悪いことをしたら本気で謝らなくては。


「パパのことは、好きなの??」


「…お仕事の、…仲間です」


「じゃあ、本当のママにもなってくれないんだね」


どっちだ。
なってほしいのか、いらないのか。


「なってくれたらパパが喜んでくれるから」


うっ、どう言えば。
でも嘘は言えないこれ以上。


「……好きな人はいるんだ。嫌われちゃったけどね」


子供の前とはいえ、改めて言葉にすると、自分に追い討ちだ。
あああ。


「こっちにおいで??お姉さんが取ってあげるから」


「取ってくれたら、手術、受けるよ」


「ホントに!?」


「…お姉さんが、なんか可哀想だから」


4歳児に、いや5歳児に。
同情された。
大の大人が。



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