転職したら双子のイケメンがついてきた


―――手術は無事、成功した。


午前中の手術で、落ち着いたお昼過ぎ。とりあえず最後まで見届けた私。


「よく頑張ったね」


ベッドに横たわる柚希の頭を撫でる。


「……ありがとう。……ワガママ言ってごめんなさい」


胸が痛んだ。
こんな小さな子供のささやかなワガママも聞いてあげられなかった私は無力だ。


首を横に振ると、


「パパと頑張るんだよ」


「お姉ちゃんもね」


微笑んだ。


「…夢を見たんだ、ママの」


「へえ、どんな??」


「パパとママと3人で、海で遊ぶ夢。お空から見守ってるから、パパと仲良く頑張りなさいって、笑ってた」


そう言ってにっこりと笑った。
胸が熱くなって、思わず抱き締めた。



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