転職したら双子のイケメンがついてきた
「爺さん婆さんもいるし、中年男、あっ、バカ女の手を触る」
壬言さんが脅かす。
何かが手に触れて、
「ぎゃあっ!?」
となる。
通りすがりの女性の点滴のチューブが手に触れて、睨まれる。
「それは冗談だ」
「人で遊ばないでください!!」
赤くなって膨れる。
けれど、壬言さんが焼きもちを妬いてくれている??ことが嬉しかったし、イケメン2人に弄られる時間が、細やかな幸せではあった。
「引き受けたんですか??」
キョロキョロして、びくびくする。
「という冗談はさておいて」
「えっ!?どこまでが冗談ですか!?」
「そんな、そこら中にうようよいる現象はみんな知ってる。今さら退治なんてするほどのもんでもない」
真言さんが冷静に応える。
それもそうか。
「神前くん??」
声に振り向くと、綺麗な女の人が立っていた。看護士らしい。
「……み、御山??」
壬言さんが赤くなった。
見たことのない表情で見惚れている。
目鼻立ちのはっきりした、艶々の黒髪を後ろで束ね、クチバシクリップで留めてある。170㎝はありそうな、長身の美女だ。
出るところは出て、括れもある。